FRB(米連邦準備制度理事会)利上げ終了の可能性が次第に強まってきたが、ECB(欧州中央銀行)についてもここに来て年内利上げ終了の可能性が浮上し始めたようだ。鍵は原油価格の急落。ECBのインフレ見通しは、原油価格が最高値圏にある時に作られたもので、その結果最近の原油価格急落でインフレ見通しは大幅な下方修正の必要が出てきているようだ。原油相場はユーロへ様々な観点から影を落としている。ECBによる来年のインフレ率見通しは、8月上旬のWTIが77ドルといった原油高のピーク時に作成されたもの。ところが、周知の通りWTIは最近60ドルまで下落、ピークからすでに2割以上の反落となっている。この結果、来年のECBのインフレ率見通しは大幅な下方修正の可能性が出てきたわけだ。
今のところ、金利市場では、来年にかけてECBが3.75%まで利上げする可能性を高い確率で織り込んだ形となっている。しかし上記の原油急落要因から、ECBの利上げはあと2回、つまり年内3.5%で打ち止めになる可能性が出てきたようなのである。FX取引、FX初心者、くりっく365、FX口座開設、FX資料請求
ユーロは最近にかけて徐々に上値が重くなりつつあるが、金利先高観の後退、金利低下ということなら、それがさらなるユーロ売り戻しにつながる可能性は注目されるところである。 このような金利見通しとは別に、実際のユーロ買いもこのところ減っている。この背景には、最近の原油価格反落の影響が大きいのではないか。シカゴIMM統計によると、9月19日現在でユーロ買い持ち(ロング)は5.1万枚。これは、8月8日のピーク(9.2万枚)から45%の減少になる。
ところで、やはり8月上旬にピークをつけて、その後下落が続いてきたのは原油価格である。つまりこの1ヵ月半ほど、原油価格下落が続く中で、ユーロ買いが減るといった関係が続いていたのである。
そもそもその前までは、「原油高=ユーロ高」といった関係が続いていた。今年の原油価格とユーロ実効相場はきれいな相関関係となっていた。これは、原油高で原油収入が増加した中東諸国がユーロ買いを拡大したといった関係があったためではないか。そしてこのように考えると、上記のように最近の「原油反落=ユーロ買い縮小」も辻褄が合う。
IMM統計のユーロロングは、昨年まで6万枚を越えたことがなかった。それが今年に入ると一時は一気に9万枚突破となったのである。ECBが利上げを続けているからとはいっても、ユーロロングの上限が一気に5割増となるほどの原因がそれだけなのか、私は懐疑的だった。ただし、「歴史的原油高」との相乗効果ということなら納得できそうだ。
さて、その歴史的原油高が、大幅な調整局面に入っている。原油価格は、3月中旬以来の水準まで反落してきた。ではその3月中旬にIMM統計のユーロロングはいくらだったかといえば、4万枚以下だった。単純に原油相場との相関性から考えると、ユーロ買いはもっと縮小する可能性があるだろう。 21日発表されたフィラデルフィア連銀景況指数、通称「フィリー」の急悪化で、米早期利下げ思惑が急浮上、それを受けてドルも急落となった。過去の経験則からすると、「最後の利上げ」から半年程度で「最初の利下げ」はとくに違和感のないものだが、ただ今回の場合微妙な点もある。また、経験則はじつは「米利下げ=ドル安」がむしろ一般的ではないことを教えているが、それでも短期5%程度のドル安リスクまで否定するものではない。米政策金利について、金利市場の織り込み具合の目安となっているFF金利先物の動きからすると、年末までの利下げが数パーセントだが織り込まれ始めた。FX
基本的に米国の利上げから利下げへの政策転換は早い。グリーンスパンFRB議長時代では、最も早かったのが3ヶ月であり、最も遅くとも7ヶ月だった。つまり、今年6月が最後の利上げだったら、それから3−7ヵ月後に利下げということで、9月−来年1月の利下げはまったく不思議ではないわけだ。
ただ現実問題として、年末年始にも利下げがあるかといえば、微妙だろう。上記のグリーンスパン時代の政策転換では、最後の利上げにおけるFFレート水準はすべて6%を超えていた。それに対して今回はまだ5.25%。金利が高くなったから、その後の景気減速が急になり、急な利下げが必要になったとしたら、今回の場合はその点微妙だろう。ところで、21日のNYは米利下げ思惑浮上=ドル下落となったが、これはどう評価されるだろうか。原則的には、「米利下げ=ドル安」には限界があると思っているが、ただ一時的な現象はもちろんありうるものだろう。
たとえば、2001年1月から米利下げが始まると、ドルはさすがにその1−2月は5%程度反落した。しかしその後も利下げシリーズが展開していく中で、むしろドルはそれを尻目に110→135円へドル一段高となった。
これが教える教訓は、米利下げは中期的にはむしろドル高をもたらすことがあるということ、ただしさすがに一時的に5%程度「利下げ=ドル安」が起こることもあるということだ。
米利下げが中期的にむしろドル高につながるという理屈は以下の通りだろう。米国は日欧に比べて債券市場への海外資本流入の割合が大きい。この結果、「利下げ=債券高」局面では、「債券高=ドル高」になりやすいということだ。ただし、それにしても短期的ドル安までも否定するところではない。
今回の場合5%のドル安なら、118円から計算しても113円割れということにはなる。決して「利下げ=ドル安」といった一般論通りではないが、それでも一時的に113円程度まで利下げ思惑でドル下落となることまでありえないとも思っていない。FX
そして、それがさらなるドル安につながる可能性があるとしたら、今回の場合それは円「売られ過ぎ」の反動からくる円高・ドル安の結果としては予想できなくない。シカゴIMM統計などから推して、今回の場合そもそもドルは「買われ過ぎ」ではない。ただし、円は空前の「売られ過ぎ」が続いている。
債券高でドルへの資金流入が続いてもそれほどドル高・円安にならない、逆にドル安・円高に向かうとしたら、その原因は円の「売られ過ぎ」、実効相場などからうかがわれる「下がり過ぎ」に求められるものだろう。 シンガポールG7(7カ国財務相会議)後の為替は、「やや円安・ドル高」といった動きにとどまっている。4月G7後のドル急落の記憶がまだ残っているものの、最近のG7後の動きとしては、むしろこれが本来のものだろう。G7では相場が動かない――、しかし逆説的な言い方になるが、このまま相場が動かない可能性も少ないだろう。昨年の円一段安が典型的だったが、例年為替は秋から本格相場に向かいやすい。 9月G7といえば、1985年にプラザ合意という、その後のドル大暴落につながるきっかけとなった会議が開かれたことで知られている。しかしそんな9月G7も、最近はとくに相場を大きく動かすことはなくなった。
2000年以降の9月G7から1週間後のドル水準は、G7前に比べて0.9円程度の上昇ないし下落だった。つまりG7から1週間たって、ドルは1円上がっているか、下がっているかが普通ということだ。
今年4月G7の直後からドルが急落に向かったということがあった。この時のドルは、G7直前の116円半ばから、1週間後には114円を割り込むといった具合に、一気に3円近くもの急落となった。
ただ、最近の傾向からすると、むしろG7後の為替の動きとしてはこれが珍しいものだったのである。今回の場合、G7直前に117円半ばだったドルは、その後いろいろ思惑をめぐらしたものの、1週間たってドル高なら118円半ば前後、ドル安だったら116円前後というのが最もありうるシナリオだろう。
ただG7が直接のきっかけではじつはないとしても、そろそろ相場は動き出しそうだ。それはG7というより、すこぶる相場エネルギーの理由からだろう。
今月のドル円値幅はまだ2.8円程度。ドル円の値幅は今年最低でも3.5円だから、今月も月末までに値幅が1円以上広がる可能性は十分あり、逆の言い方をすればこのまま115円半ば−118円前半のレンジを抜けない可能性の方が少ないだろう。FX
さて、では来週にかけてドル安115円割れへ向かうか、それともドル高119円突破に向かうか。いずれにしても、それはそのまま年末にかけての大相場始まりになる可能性がある。
過去10年間で9月と10月の方向性が一致したのは何と8回。また9−10−11月と3ヶ月連続で一致したのでも6回あった。たとえば、9月がドル安なら10月にかけてドル一段安となる確率が8割、11月にかけてドル急落となる確率が6割ということだ。この場合は月足の考え方になるから、9月がドル安かドル高かの目安は、月末終値117.40円になる。
ちなみに、過去10年間で9月と10月が逆に動いたのは2回だったが、その場合は10−11−12月と3ヶ月連続で同じ方向に動いた。その意味では9月のドルが「ダマシ」になる確率も2割はあるが、その場合は今度10月から一気に年末への大相場になる。FX
どちらにしても、いよいよ膠着相場から抜け出し、秋から相場は本格化に向かう可能性は高いといえそうだ。ただし、それはG7を「口実」にする可能性はあるものの、それがきっかけということでは、実際はないだろう。 原油価格(WTI)の反落が拡大、一時3月以来の安値まで下落してきた。ところで、今年の原油価格は、ユーロ相場、とくに実効相場との相関性が高い状況が続いてきた。その相関関係からすると、このところの原油安に必ずしもユーロ安はついてきていない。相関性が崩れたのか、それとも相関性が続いているならユーロは対円で140円、対ドルで1.20ドル程度まで一段安の可能性があるといったことになる。
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